正しい知識があれば、糖尿病なんて怖くないよ!
生活習慣が引き金となる2型糖尿病はなおさら!
前向きに対処し、糖尿病を撲滅しよう!
 
深呼吸ダイエット


  •  糖尿病の食事療法

  • 糖尿病の治療は食事療法が基本です。糖尿病は食事と密接な関係にあるインスリンが不足したり欠乏したりして起こるので、食事療法が不可欠なのです。
    インスリンが不足すると、食べ物を通して摂取したブドウ糖などの栄養分が細胞に取り込めなくなり、体の各細胞が栄養失調になります。その一方で、利用されないブドウ糖はどんどん増え続け、血液中にあふれてきます。こうした状態が高血糖で、これを放置すると合併症を招くわけです。
    こうした高血糖を改善するには、食事の量を制限し、各種の栄養素が不足しないよう、食事の摂り方を変えなくてはなりません。その人に合ったエネルギー量にすることと、栄養バランスのとれた食事に切り換えることが「食事療法」です。
    食事療法は薬を飲むわけでもなくお金もかからないため軽視されがちですが、一番効果があり、またほかの治療法の効果も助ける、もっとも基本になる重要な治療法なのです。

    糖尿病は、インスリンが発見されてから対症療法で生き長らえることが可能になりました。しかし根治する治療法がみつかっていない現在、糖尿病治療の最大の目的は、合併症の予防にあるといえます。糖尿病の合併症は、高血糖を放置していれば誰でも併発します。失明したり人工透析が必要になるなど、ひとたび合併症が起これば、社会生活が不自由になるだけでなく、悲惨な予後を覚悟する必要があり、寿命も短くなります。
    しかし、食事療法を確実に実行し、血糖コントロールをよい状態に保ち続ければ、合併症と無縁の生活を送ることも可能です。とくに、Ⅱ型糖尿病の場合、7割以上の人が食事療法だけで病状を十分に改善することができるといわれています。また逆に、インスリン注射や飲み薬が必要なケースでも、この食事療法がしっかりできていないとその治療効果はあまり期待できません。
    食事療法という治療法は、きちんと実行し、続けてこそ効果があります。発症して30年以上たっても、合併症がなく元気で活躍している人はたくさんいます。生半可な気持ちを捨て、自分の病気は自分で治す覚悟で毎日食事療法に取り組むことが、糖尿病を克服する鍵となります。

    具体的な食事療法とは、何か特別なものを食べたりするわけではありません。1日の摂取エネルギー量が制限されることと、充分な三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)をバランスよくとり、ビタミンやミネラルなども欠かさないことこそが糖尿病の食事療法です。
    つまり、従来の偏った食事を改め、健康的な食事に変えることが必要なのです。またこの食事療法は、糖尿病でない人が生活習慣病を予防し長生きするための健康食として利用しても効果的です。



  •  糖尿病の運動療法

  • 食事療法、薬物療法と並ぶ糖尿病治療の柱が運動療法です。特に日本人の糖尿病の 95% を占めるⅡ型糖尿病の人で、血糖コントロールが安定している場合は、食事療法と一緒に運動療法を実施すると、血糖値が下がるだけでなく、糖尿病のさまざまな症状が改善され、さらには動脈硬化の予防、老化防止といった点でも効果があることがわかっています。
    しかし、重度の進行した合併症がある時には、運動によりかえって病状を悪化させてしまうこともあるので、何をどの程度行うのが効果的なのかを正しく理解し、適度な運動を上手に生活に取り入れていく必要があります。

    適度な運動は血糖値を低下させると同時に、肥満の解消に大きな効果があります。また、糖尿病患者がかかりやすい血管障害など合併症の予防や進行を抑える効果もあります。さらに、体を動かすのが楽になり、日常生活も快適になります。

    ●運動を勧められない人 
    運動は、Ⅱ型糖尿病で、合併症がなく血糖コントロールが安定している人や、合併症があっても程度が軽ければ、非常に効果があります。
    しかし、運動によりさまざまな治療効果を高めることができる反面、病状によっては逆に高血糖や低血糖を引き起こす原因になったり、病状を悪化させてしまう場合があります。糖尿病のさまざまな合併症、とくに増殖網膜症など進行性の網膜症、血清クリアチニンが高いなど進行した腎症、自律神経障害がある場合には、運動がかえって症状を悪化させることがあるので、病態が安定するまで運動はお勧めできません。また、血糖が安定していた人でも何らかの原因で血糖が高くなり、ケトン体の上昇が認められた時をはじめ、感染症で高熱が出るなど急性の変化があった時も、病態が落ちつくまでは運動は控えなくてはなりません。
    また、Ⅰ型糖尿病の患者や、糖尿病以外で血圧がいちじるしく高かったり、心臓や肺の病気があったり、腰や膝の関節が悪い場合なども、運動の内容に注意や制限が必要ですから、主治医の指示を仰いでください。

    糖尿病の治療としてもっとも効果的な運動は、酸素を十分に取り入れて行う中程度の強さの運動、いわゆる有酸素運動(エアロビクス)です。エアロビクスは必ずしも「エアロビクス体操」のことではなく、酸素を十分に取り込み、血糖や脂肪を効率よく燃焼させることを目的とした、全身運動のことです。具体的にはウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水泳、太極拳などを、ある程度の負荷を持続して行うものです。
    有酸素運動は、多少息が上がるものの人と話しながら続けられる程度の運動強度です。この程度の運動を20分以上続けると、体の酸素消費量が増え、ブドウ糖だけでなく脂肪もエネルギー源として使うようになるため、血糖を下げ、また、血液中の脂肪や体重も減るようになります。
    ハアハアと息切れして会話がほとんどできない場合は、運動強度が強すぎて酸素が十分に取り込めない状態を示し、一方、鼻歌が歌えるくらい余裕のある状態では、負荷が低すぎて治療効果が期待できません。 そうした運動でお勧めなのは、夕食後のウォーキングです。食後1時間ほどしたら、30分ほど足早に歩くだけで、血糖値は下がります。なお、運動の前後は、準備運動、整理体操を実施して、心拍数をいきなり上げたり下げたりしないようにしてください。

    なお、運動中はことのほか低血糖症に注意しなくてはなりません。
    胸痛や動悸、強い空腹感、震え、冷や汗、吐き気、目のかすみなどを感じたら、すぐに運動を中止して飴や砂糖などをとり、その後も十分に休養します。

    ●効果的な運動の仕方
    ウォーキングや軽いジョギングなど中程度の強さの運動を、1日に20~60分程度、食後1~2時間以内に、週3~5回するというのが理想的です。
    食後1~2時間が最適な理由は、血糖がもっとも高くなる時間帯だからですが、この時間でなくても、早朝や深夜、また食時の直後などを避ければ、いつやっても問題はありません。しかし、インスリン注射をしている人や、血糖降下剤を飲んでいる場合は、食前の運動は低血糖の危険があるため注意が必要です。
    また、運動の効果は翌日くらいまで持続するので、毎日続ける必要はなく、体調や天候の悪い時は休んだり1日置きに実施しても、インスリンの効き目を高める効果は持続します。無理して毎日続けるより、ゆっくり長く続けることのほうがはるかに重要です。
    有酸素運動は20分以上続けないと効果がないといわれてきましたが、10分でも脂肪燃焼のサイクルが働くという実験結果もあります。ですが、達成感を得るためにも、1回20分以上かけて実施されることをお勧めします。
    なお、運動を続けていて、疲労感が残ったりきつさや苦しさを感じたり、膝や足の一時的な筋肉の痛みやこわばりなどがある場合は、不適切な部分があるはずですから、運動の内容を検討してください。
    運動のやり過ぎや、合併症を知らずに運動を続けていて、病気を悪化させたりすることがないように、月に1度は主治医のチェックを受け、アドバイスを受けましょう。



  •  糖尿病の薬物療法

  • 食事療法と運動療法だけではコントロールがうまくできない時、薬物療法を追加します。飲み薬を用いる内服療法と、インスリンを注射するインスリン療法の、2通りが行われています。
    経口血糖降下薬(飲み薬)は膵臓からのインスリン分泌を増やしたり、細胞のインスリンレセプターの感受性を高めて血糖値を下げます。インスリン療法は直接体外から補充したインスリンが、血糖降下を助けます。どちらの薬物療法をいつから始めるかは、糖尿病のタイプや病状、合併症の進行具合など、さなざまな要因を総合して決められます。

    ●インスリン療法について
    そもそも糖尿病は、インスリンという膵臓のβ細胞から分泌され血糖値を調節するホルモンの作用が不足して高血糖になる病気です。そのため、インスリンを注射により補い、血糖値をコントロールするのがインスリン療法です。
    膵臓のインスリン分泌がほとんどなくなるⅠ型糖尿病では、インスリン療法が治療の基本となり、生きるためにもインスリン注射が欠かせません。
    一方のⅡ型糖尿病では、膵臓のインスリン分泌はいくらかは残っているので、インスリン療法をしなくても、すぐに命にかかわるわけではありません。しかし、食事・運動療法や飲み薬を服用しているのに血糖値をコントロールできない、薬の副作用・相互作用や内臓の病気で、飲み薬を服用できない、とくに血糖値が高くすぐに下げる必要がある場合には、インスリン療法を行います。

    インスリン療法は、糖尿病のタイプや病状によって、治療の内容が異なります。
    膵臓からのインスリン分泌は、24時間ほぼ一定量が出続ける基礎分泌、食事などの血糖値の上昇に対応してタイミングよく出る追加分泌に分けられます。
    Ⅰ型糖尿病では追加分泌も基礎分泌もほとんどなくなっていますが、Ⅱ型糖尿病の場合、インスリン分泌力自体は比較的確保されていることが多いのです。しかし、分泌量が少なかったり、食後に血糖値が上昇しても、少し間を置いてから分泌され始めるため、高血糖になるのです。
    Ⅱ型糖尿病のインスリン療法は、この残っているインスリン分泌力を少量でも効率よく活用し、よりよい血糖コントロールを保ち続けることが目的です。

    ●低血糖症への注意
    血糖コントロールを厳格にすればするほど、低血糖が起きやすくなります。低血糖の代表的な症状は、手の震え、発汗、動悸、脱力感、吐き気、霞み目などですが、個人差もかなりあります。
    重度の低血糖でなければ、砂糖や糖分を含むジュースを摂ると速やかに回復しますが、Ⅱ型糖尿病では重度の低血糖になることはあまりありません。安全のために飴玉を携行することをお勧めします。
    なお、車や自転車などを運転中に低血糖の症状を自覚したときは、速やかに安全確認してからゆっくり停車してください。無理をして運転を続けると、状況判断が鈍くなったり、安全確認がおろそかになったり、運転操作をコントロールできなくなる、といった危険が生じます。



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